とある日 その2
冗談とも本気ともとれるその誘い方は実に巧みで、どっちに転んでも誰も恥をかかないような仕組みになっていました。
この誘いに乗ることは、未知の世界への扉を開くことであるように思われ、好奇心は大いにくすぐられたが、反面、そういう世界を私は知らない方がいいかもしれない、とひるむ気持ちにさせる何かがあった。
当時、婚約中だった私は結局その誘いには乗らず終いだったが(今にしてみれば惜しいことをしたと少し悔やまれる)、一体、あの調子でどれだけの女たちを誘ってきたことか。
ひょっとしたらギリシャ娘もそんな中の一人だったかもしれない。
そんなことを思って少し胸が騒いだ。